お知らせ
原著論文が掲載されました
【研究成果】子どもの予防接種における保護者の情報収集行動と、医療者とのコミュニケーション経験の質との関連を明らかに
このたび、当研究室の齋藤あやらの研究チームによる論文が、ワクチン分野の国際学術誌『Vaccine』に掲載されました。
本研究では、日本の6歳未満の子どもをもつ保護者2,400人を対象に、子どもの予防接種に対する不安、医療者への質問行動、主な情報源としてのデジタル/オンライン情報の利用、そして医療者とのコミュニケーション経験の質が、接種スケジュールの遵守とどのように関連するかを調べました。
その結果、ワクチンに不安をもつ保護者ほど医療者に質問する傾向がみられ、質問した保護者は、質問のしやすさや説明のわかりやすさなど、コミュニケーション経験をより良好に評価していました。さらに、医療者とのコミュニケーション経験の質が高いことは、子どもの予防接種スケジュールを守っていることと関連していました。一方で、質問行動そのものや、主な情報源としてデジタル/オンライン情報を利用していること自体は、調整後には接種スケジュールの遵守との独立した関連を示しませんでした。
また、主な情報源としてデジタル/オンライン情報を利用していることは、医療者とのコミュニケーション経験の質の高さとも関連しており、信頼できるデジタル情報が対面での相談を補完する可能性が示唆されました。
本研究は、日本では保護者が遠慮して質問を控えやすい文化的背景があるなかで、質問しやすい診療環境づくりと、信頼できるデジタル情報の活用が重要であることを示唆しています。これらの知見は、保護者に寄り添った予防接種支援やリスクコミュニケーションの改善に役立つことが期待されます。
論文情報
Aya Saitoh, Akihiko Saitoh, Hajime Kamiya, Takashi Nakano, Toshio Murayama.
Parental inquiry behavior and use of web-based information for childhood vaccination in Japan: Implications for communication quality and vaccination schedule adherence
Vaccine 82 (2026) 128623.
DOI: 10.1016/j.vaccine.2026.128623